光依存症【短編】
自分の部屋の扉を開く。
当然、電気を点けていないので室内は真っ暗だ。
見慣れたいつもの光景。
なのに…背中がぞわりとして、嫌な感覚がした。
「嫌だ…何で?」
口をついて出た。
暗いのが怖いなんて…小さい子どもじゃあるまいし…
だが、彼女は抑えようもない程に恐怖を感じていた。
慌てて、美亜はスイッチに手を伸ばす。
ヌルリと嫌な感触。
(え…何…?)
カチリ
小気味良い音と共に、一瞬で視界が明るくなった。