光依存症【短編】
玄関の扉も開かなかったら…と考えたが、幸いな事に開いていた。
何故か、外も真っ暗だった。街灯ひとつない、人通りも全くもってない…
とても不気味だった。
街全体が死んだようだ。
(怖い。怖い。暗闇がとてつもなく怖い。)
これは暗闇でひとり、寂しく死んだ少女のせいなのか?
彼女は光を求めて走った。少女から、暗闇から逃げるため。
息が切れて苦しくなっても、足がもう無理だと悲鳴をあげても、彼女は走り続けた。
(怖い…光がないと、生きていけない!!
助けて…誰か、光を…頂戴…)