ラブレターを君に
その子の足が止まった。


上を見上げて指差す。


「私ん家、此処!」



「ええっ、此処?」っていうか、此処は、凄いマンションだよな!また思わず見上げてしまう。



「じゃぁ…私行くけど…何かもう少し二人で散歩でも…するぅ?」




「何でお前と…しかも散歩なんだ?もういいから!いけよ!」



「だって…寂しそうに見えたんだもん。」




「何っ!……俺はもう一人になりたいんだ!家に帰れって!」




「素直じゃないなぁ!じゃぁ…行くね?」その子は、その高級高層マンションに入って行った。


何でこんな立派な家の子が?こんな時間にあんなひとけのない所に居たんだ?



そんなこともうっ、どうでも良いくらい、今の俺は精神的に疲れていた。



自分のマンションに着き電気も点けずにベットに横になる。



今日あった事が頭を駆け巡る。
基本的には、俺は悩まない方だが……今回の事は、俺でもどうする事も出来ずにいた。




俺は、何も考えたくない時、あの場所へ行く事にしている。



しかし………あの子は、何なんだ!大体、人に馴々しいだろう。初対面の俺にズカズカと、物を言いやがって!………
今度会ったら、説教してやる!……っていうか、会うはずないか?俺何考えてんだか……
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