ラブレターを君に


(kazu)
「はいっ、お嬢様!着きましたが?もう、目を開けられますか?」



そのままの状態でゆっくりと目を開けた理音…



「何時から、こんなに…星が出てたのかしら?カズさんも見てみて?
あれっ、カズさん?」



隣りにいるはずのカズが…居ない。慌てて車を降りる。



「カズさん?何処?……何処なの?」



急に、目を塞がれた。



「お子様だからね!ココアをお持ちしました!温まるから……」



目に涙を一杯浮かべて…


「カズさんが、私を置いて、居なくなったかと………星は、二人で見ようって………」



「何!此処まで来て…置いてなんか行かない!バカだなぁ!」


何て、手の掛かるお嬢様なんだ?知らず知らずに、その細い肩を抱き寄せていた。



「さぁ!車に乗って!二人で横になろう!」



(理音)
「今日の星は、やっぱり…少ないかな?でも、ほらっ、あそこの星…とても、キラキラ光ってるわね?私達にヤキモチ焼いてるのかしらね!」


(kazu)
「そんなに、焼かれる程仲良くないしぃ!………でも、俺っ、こんな感じで夜空の星見たの、初めてかも…それに、この季節…」
隣りの理音を見つめる。と…震えてるのか?



(kazu)
「どうした?寒いのか?震えているだろ!待って、今温めるから…」



やはり、ドレスにコートだけは、まずかった。



カズは、自分のジャケットを脱ぎ理恵に羽織らせ、強く抱き締めてやりながら、聞いた。



「こんな事しでかして、明日から大丈夫なのか?」



何処からともなく、ケータイを出して…

「これが、あるから大丈夫!このケータイね?私の御守りだから。それに…こうやって、カズさんと二人で、星を見れたから………もうっ、……でも、今日星出てなかったら、どうするつもりだったの?」



「見れるまで、何度でも、来るつもりだった!」
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