ラブレターを君に

手紙

理音がここへ来てから、2ヶ月がたった。



両親には、何一つ連絡はしていない。たまに母から、手紙が届いていた。一度書こうとして便箋を用意したが、まるで指が動こうとはしなかった。



遂に理音は、白紙のままの手紙を入れて両親へ送った。


気持ちを言葉には到底出来ないでいた。


どんなに、綺麗な星空を眺めていても…広い野原のよいな庭をどれだけ、駆け巡ってみても、隣りには……カズはいないのだから………


そんなある日のこと、母から、小包が届いた。



中を開けてみると


カズのシングルCDが二枚とアルバムが一枚入っていた。


父には内緒で送ってくれたのだろうと思った。



理音は、早速ジュリアーナの家に行き、聴いてみた。


リサが尋ねてきた

「これは、誰が、歌ってるの?」



「……大好きな人が歌ってるのよ!」


「理音は、何故…泣いてるの?」


ジュリアーナがリサを連れて部屋から出て行った。



アルバムの中の最後の曲に……題名だけの、歌詞がない曲が収まっていた。ピアノソロの曲だった。



夜になっても、心の中に響いてくる。



書いてあった題名は~「愛する人へ」
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