ラブレターを君に
カズは、疲れも感傷もすべて吹っ飛んでいた。


深呼吸を 一回してみた。


「コンコン!失礼します」


中に入って行くと二人は、神妙に椅子に腰掛けていた。



岩崎の方から近付いて来た。



(孝志)
「やあっ!久し振りですね!……コンサート…素晴らしかった!」



(kazu)
「ええっ!あのぅ………何で…俺のコンサートに……しかも、お二人で、ですよね?……」


(美歌)
「ごめんなさいね!突然に…この人が…貴方に会いたいって、言い出して……」



(孝志)
「君の歌を聞いて…あのピアノの旋律を聴いてて……最初はあの初めて家に来た君が今見てる目の当たりにしてる君と一緒なのか信じられなかった。
美歌は、泣き通しだし……私は、まるで頭をハンマーで殴られたみたいな気持ちになったよ!

何か君の中の哀しみや苦しみや感動が、こうっ、どんどんと……入り込んできて……

私達は、間違ってたって……そして君に大変なことをしてしまった……親として、いやっ、人間として、してはいけない事をした。本当に申し訳なかった!(頭を深々と下げる)どうしても…謝っておきたかった!」


(美歌)
「そもそも、私が無理矢理この人を連れ出してきたの!私が貴方のCDを聴いてしまって、どうしてもコンサートを見てみたいと思ったのよ!見なければいけないって思ったの。」
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