ラブレターを君に
手紙のようだが、カズは、それを、恐る恐る開いて見た。



何処にも何も書いて無い。


(kazu)
「手紙には…何も書いて無いですが…」


(美歌)
「そうなの!理音はね!貴方の前から居なくなるって決めてから、実はフランスのリヨンに行ったのよ!
二か月過ぎた頃だったかしら、これが届いたの。ねぇ!あなた!」



(孝志)
「他に二通同じ物が届いてるよ!何も書いて無い……今になって分かるような気もするのだが……私達には何も書くことがなかったのだろう!
泣き言言ってじきに帰ってくるとばかり思ってたんだが……何を想って今頃いるのかと思ったら………」



(美歌)
「本当!そうねっ、私の所にも、まったく何も言って来ないし、これ程までに芯の強い娘だったなんて……」


そう言いながら、メモを手渡してくれた。


(孝志)
「そこには、理音の住んでいる場所が書いてある……君達を引き離しておいて今さらって思うだろうが……ああっ、それと美歌!カズ君に…理音の部屋を案内して………」


(美歌)
「そうよね!カズさんは、理音のことまだ何も知らないわよね?こちらよ!どうぞ!」
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