ラブレターを君に
ラブレターを君に

真実の星

理音は、久し振りに、隣りの町にある科学センター(星が見れる施設)にひとりで、おとづれた。


日本人は、滅多におとづれない施設なのか、職員には一人で来たのかと不思議がられた。


ここで見る星は、どうしてこうも、つまらなく感じるのだろうか!



何処へ出掛けて行って見たところで、リヨンに来て以来…綺麗だとか…素敵だとかなんて想えた日は無いのだから……



ここへ来ても、やっぱりとしか思わない……



ジュリアーナの所に帰ってきて、どうだった?と聞かれても、答えようもない理音だった。



その夜リサが、いつものように、ピアノを弾いて欲しいと理音に繋がって来た。



理音は、星が出ていないことを祈っていた。



理音の部屋の窓から夜空が丁度見渡せるために、ピアノを弾いている時に星が見えると…つい泣けてしまうのだ……



リサにも、一度見られてしまっている。



リサには「どうして理音は、泣いてるの?」って、いつも聞いて来る。


あの初めて会った日見た星が…今でも忘れられないでいる!二人でパーティーを抜け出して、カズに連れて行ってもらった時見た、僅かに光ってた星が、理音の脳裏にこびりついて、離れることは無い。



星を見る度に…何故にあの時見た星とは、違うのだろう………



ピアノを弾きながらそんなことを考えてしまい、涙がひとりでにこぼれてしまうのだ。





< 85 / 119 >

この作品をシェア

pagetop