キリトリセン
「はぁ...っふー......」

数年間通い続けている道とはいえ、流石に自転車を押しながら登る坂道は少し疲れる。



やっと目的地につくと、もう地平線の向こうは赤く染まりはじめ、燃え盛る太陽が顔をだそうとしている。



眠る街に少しずつ息を吹き込んでいくように朝日が照らしていく。



そんな街に人影は見えなくて、まるでここにいる私、ひとりのようだ。





「おはよう、」



誰かに向けたわけでもない。毎朝ここで呟く言葉。


自転車をその場に止め、カメラを取り出す。



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