medium M × small S
smallな罪悪感
「今日、体育館通路で野球部に私の事を公塚って呼んだ奴がいたの。よっチャンも野球部だよね…だから」
私は続けて言おうとしたのをよっチャンが急に止めた。
「区部さん……ゴメンナサイ!」
──……へ?今なんて?
「僕が言っちゃったんだ。野球部の一年の二人くらいに聞かれてさ……つい」
「あっそ」
私はわざと素っ気なくした。
そして社会の始まりのチャイムが鳴りながら教室を後にして自分は去っていった。
──……ごめんね……
こんな可愛い声が聞こえたような気がした。