引きこもりの俺が何かを言った。
爽介side
「体育祭のお知らせ……来月の第2日曜日に体育祭を開催します……」
渡されたプリントをそこまで読んで、俺はゴミ箱に放った。
まなから「愛梨ちゃんが持ってきてくれた」と言われて渡されたが、こんなもの持ってきて連れ出そうとしてもそうはいかない。
俺はこの"引きこもり"の生活が好きなんだ。
外なんて出なくても、家の中だけで十分生きていける。
パソコンの隣にある水を一気飲みし、再びゲームを始めようとした、そのとき。
ピロン……。
机の上に置きっぱなしの携帯電話が着信した。
引きこもりの俺に電話をかけてくる輩は、知る限り2人しかいない。
1人めは学校の教師。
「そろそろ来てみないか?みんな待ってるぞ?」なんて心にもない言葉をペラペラ並べる汚いやつ。
そして2人めは……。
「……なんだ?うざい」
開口一番に俺はそう言った。
幼馴染みの愛梨。
最後にこいつに会ったのは、3年前だ。