引きこもりの俺が何かを言った。



何かと俺に構ってくるし、俺が嫌がってるのを分かってるのか分かってないのか……。

俺的には、こいつアホだと思う。
昔から何も変わってない。

俺がこうやって「うざい」って言っても返ってくる言葉は決まって……。

『よかった!元気そうだね』

嬉しそうな愛梨の声。

大体のモテない男はここで思う。

〈こいつって俺のこと好きなのか!?〉

女の子から電話をもらえるとその日一日は頭ん中feverだ。
だが、俺はちがう。

女の子からのメールや電話なんて毎日もらってる。

俺はパソコンのメールファイルを開け、届いている既に既読済みの女の子達からのメールをみて、にやけた。

『爽ちゃん。キモいよ』

「あ?」

『なに女の子からのメールみてにやけてんの、キモいよって言ったの』

女の子からのメールみてにやけてんの、って……なんでそれ知ってんだ?

てか、やたらと声が近くから聞こえる気が……。

おそるおそる振り返ると、そこには携帯片手に仁王立ちしてる愛梨の姿があった。

「お前!!いつの間に!!」

「ちょっと!何この部屋!!暗すぎ!カーテン開けなさいよ!」

愛梨はお構い無く閉めきってるカーテンを開け放った。

眩しいくらいの沈みきってない夕日の光が俺の部屋に差し込む。

「うわぁぁ!!やめろ!!俺の部屋に太陽の光をいれるな!」

慌てて布団をかぶって、太陽の光から逃れようとする俺。

太陽なんて3年ぶりに見たわ。

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