引きこもりの俺が何かを言った。
「ちょっとな……。」
「ふうん。来月のテストのこと?」
「違う。そんなもんより、もっと難しいこと」
「?」
……こいつなら、分かってくれるだろうか。
女心ってもん。
「なあ、ひとつ聞いて良いか?」
「なんでもどうぞ?」
「……引きこもりのやつのどこがいいんだ?」
その瞬間、千夏の顔が怪訝なものになる。
そりゃそうだ。
俺の口から"引きこもり"なんて言葉が出てくるんだからな。
「引きこもりって……うーん。良くはないよね」
「好きになったりする?」
「引きこもりを?まさか!」
千夏がクスリと笑う。