君へ

そういえば、私があいつに恋をしたのっていつだっけ…
たぶんそんなに後ではなかったようなきがする…
日記を見返してみるよ。
またお手紙書くね。


「古希!!プリントはやく!!!」

「ちょっ待って!!」

今日はいつもどうりの一日。
なんていっても晴天でまぶしいぐらいだ。

「おねぇ!!はやくしろよ~」

「古希くん!はやく!!」

だいぶこの班になれてきたもんで…
この季節になると修学旅行がある。
私たちの修学旅行は早いものでまだクラス慣れしていない子だっているのに…

「でっできたっっ!!」

「はっはやくもっていけ!!!」

今はその修学旅行について書いていたプリント提出の日。
古希は書くのを忘れていて罰として私たちまで残るはめに…

「出せたよ!!」

「おしっ!!クラブクラブ!!」

「おれは帰るね~バイバーイ!」

「夕菜ちゃん、クラブ頑張ってね!」

「うん、バイバーイ!」

そして、私は教室を後にした。



「あっ!!やばいっっ!!」

わたしはクラブで使うファイルを教室に置いてきてしまった。

「ちょっと私、取りに行ってくるね!!!」

やばいやばい!!
鍵閉まってなかったらいいけど…

「…あ」

「おっす」

「古希?なんで教室にいるの?確か水泳部じゃなかったっけ?」

「いや…忘れ物とりに…」

偶然、同じ目当てで同じ時間に出くわしてしまった。

「なぁ…藤本って将来の夢ある?」

「特に…」

将来なんて考えたこともなかった私は適当に返した。

「俺さ、将来は水泳選手になりたいんだ…そして世界に進出したい。」

「大きな夢だね。いいんじゃない?」

「ありがとう。」

彼の夢は大きかった。
私には夢なんてないしましてやあったものを全て捨ててしまった。

「でもさ、そんなの叶わなかったらどうするの?」

「…え?」

「私にはそもそも夢なんてないし古希の言う世界になんていけない…」

そう。
これが現実。
私なんかができるわけないし古希も世界にいけるわけがない…

「だれが決めたの?」

「え?」

「誰が無理って決めたの?もしかしたらってチャンスがあるかもしれないじゃん。それをどうして掴もうとしないの?それってもったいないじゃん。」

「それは、そうだけど…」

「じゃあその夢の通りになると思えばいい!!世界は広いしまだまだやれることだってある!!」

そう言って古希は教室をでて行った。

「…あんなやつの言うことなんて。」

そうだよ。
わたしの夢なんて叶うはずがない。

「あっ!!忘れ物また置いてきたって…藤本?」

「…なれるかな?私も…」

「なれるさ!!いつでもな!!」

彼の顔は笑っていて私の頭をなでて教室をでてった。

「馬鹿なやつ…」

私はこの日彼に恋をした。


拝啓、君へ

思い出したよ!!
なぜか、日記には書いてなかったんだけど…
なんというか、記憶からむりやりでてきた~って感じ!
あれは私の初恋だった…
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