エリート医師に結婚しろと迫られてます
理想と現実
美月がオフィスのフロアに入って来るなり、言った。
「森谷さんに、連絡取ってますか?」
「まだです」
というか、連絡先知らないし。
「じゃあ、それ貸して」
美月はデスクの上から、私の携帯を取り上げると、自分の携帯を見ながら番号を打ち込んだ。
しばらくして、折り返し電話が掛かかってきた。
私の携帯のボタンを押し、美月が無言で出る。
ちょっと、それ、私のなんですけど。
「もしもし?」
「森谷さん?そう、これ、麻結の電話だから、登録しといて。いえ、どういたしまして」
「ちょっと美月?」
私は、美月から電話を取ろうとする。
腕でブロックされて、何も出来ない。
美月が、ちらっと顔をこっちに向けて、
あっち行ってと私を追い払う。
「ん?何でもない。そうだ。森谷さん、
メールで送った通り、今週末、空いてます?
土曜日の夜なら?大丈夫ですか?
了解。