エリート医師に結婚しろと迫られてます
浅倉さんが、もう1人連れてくるからって。
誰か知らないかって?いいえ、知りませんよ。麻結ここにいるけど…代わりますか?」
私は、いきなり話をしろと電話を渡されて、困惑した。
「もしもし…」
―風邪、なおったの?
森谷さんの声だ。くすくす笑ってる。
「はい…長引いてましたけど…やっと」
―もしかしたら…僕があんなことをしたから?
「違います」
クスクス面白そうにまだ笑ってる。
―風邪、はやく治してね。じゃないと家にまで往診に行くよ。
「ええっ?あの…今日ですか?」
―残念。今日はこれからずっと仕事。君のお兄さんのお陰で、このところ休日が潰れてる…直接、家に来てくれてもいいよ。
「えっと…お疲れのところ悪いですから…遠慮します…あの…じゃ、がんばってください」
―ん。わかった。土曜日、麻結に会えると思うと、今日もがんばれるよ。
「はい。私も楽しみにしてます」
通話を終えると、美月が言った。
「ということで、土曜日ね」