エリート医師に結婚しろと迫られてます
「本人に聞けばいいじゃない…」
なによ。
森谷さんの話なら、この肉1枚で食べられるリーズナブルな店でもよかったのに。
「裕貴、言ってくれないのよ。聞いても、さあね、どうしてだろうって」
「何が知りたいのよ?」
網を代えてくれるお兄さんに、そね網はどうするの?と聞いている。
「だから…裕貴は何であんたを選んだのか、あんたに会えばわかるのかなと思って…」
「何かわかった?」
網は使い捨てか…やっぱりな。
「全然。会ってみたら余計に分からない…あんたってすごく下品だし。どう見ても、どう転んでも、やっぱり私の方がいい女だし、あんたなんか私に勝てるとこなんか一つも無いくせに」
私は、お兄さんにおにぎりを注文するのをやめて、三原さんをにらみつける。
「私に嫌味をいいに来たの?」
彼女は、ばつが悪そうにもじもじして答える。
「違うわよ…お礼をいいたかったの」
「はあっ?」
意味分かんない。なにさっきのネガティブワード炸裂は?
「お礼?何かある?油断させておいて、何か企んでるとか?まさか…」
「違うわよ…本当にありがとうっていいたくてあんたのこと呼んだの」
「えっ?」
「本当よ。私、あんたにお礼が言いたかったのよ」
「お礼って、何の?」