エリート医師に結婚しろと迫られてます
どうしてだろう。
美月の方が断然目立つのに。
そういえば、変だ。
少々お酒が入っていたせいか、大胆になった。
携帯を取りだし、彼に電話をかける。
呼び出し音が聞こえて、留守電のメッセージが流れた。
私は、息を整えて用意した言葉を伝える。
「えっと…森谷さんまだ仕事だよね?留守電に声入れておいてって、言われたから、そうしようと…」
―麻結?
「ん?空耳」
―違うよ。ほんものだよ。
笑い声が聞こえる。
「森谷さん?」
―そうだよ。珍しいね。君の方からかけてくれるなんて
「声が聞きたくなって」
―なに?
「声が聞きたくなって…」
―誰の?
「あなたの…」
―ん…もう一度聞きたい
「からかわないでよ」