エリート医師に結婚しろと迫られてます
「当然ですよ。女子の身だしなみです。先生が変なんです。
やっぱり、髪ぐらいもうちょっと何とかしてあげたのに」
美月は、私の髪をさわりながら言う。
「せっかく、きれいなストレートだから、ちゃんとカットすればいいのに」
私は、美月に向かって言う。
「なんで、実の兄に会うために、めかし込まなきゃいけないのよ」
美月の目は、相当、何かで曇ってるらしい。
「そりゃあ、あんなゴージャスなお兄様をずっと見てきたら、ありがたみなんか、ないかもしれませんけど…」
それは、勘違いもはなはだしい。
「ゴージャスって、兄のことよね」
「もちろん」
「ゴージャスって、いつから俺様で強引っていう意味になったの?」
ジャイアンを見てゴージャスって言わないのと同じで、兄を見てゴージャスって言うのは、魔法か病にかかってるだけだ。