エリート医師に結婚しろと迫られてます
携帯がなった。
「どう思うって、あっ先生、鳴ってる」
「あっ、そうみたいね」
まだここにいるのかしら?
私は、美月の方をチラッと見てから電話に出る。
電話は、潤也からだった。
― いろいろ、調べてやったぞ。今日あたり会うか?
「ん…そうしよっか」
―じゃ、七時に。待ってる。
「はい」
何かとがめる様な美月の視線。
いつから森谷さんの味方になったのかしら?
「誰から?デートの誘いでしょ?」
純也とは食事するだけで、どんな勘違い女だってデートといえるほど、
親密な雰囲気ではない。
「何でそう思うのよ」
「1つ、麻結は、何かやましい事があると、私のこと邪魔そうに見る。
2つ、言葉が少ない。返事が最小限って感じるとこ」
そうだっけ、私そんなに態度に出てた?
潤也のこと話が長くなるので端折って言う。
「美月の知らない人」
「彼じゃないの?」
彼って誰よ、と突っ込んでやろうかしら?
ああ、もう。森谷さんのことで言い合いたくないわ。
「ノーコメント」
「そう、首は突っ込むなってわけね。いいわ勝手にするから。森谷さんから連絡きたら、知らない相手とデートに行ったって伝えとくから」
「美月、もし森谷さんが何か言ったら、もう覚悟はできてますって伝えて」
就業時間まで、美月に根掘り葉掘り事情を聞かれた。
私は、美月が電話に出てる隙に事務所をすっと抜け出した。
「ごめん、待たせてしまって…」