エリート医師に結婚しろと迫られてます
「彼とは、些細なことも相談し合う大の仲良しだったの?」
ビックリして、気の聞いたことなんか言えなかったし、声が上ずってる。
彼の方は、私が怒っているのか、いないのか。
話を聞いてくるか、どうなのか見極めるように私の顔をじっと見つめる。
段々、私が怒ってないと分かってくると、表情が和らいで、少しずつ、いつもの自信に満ちた顔に近くなってく。
彼は、不安そうに私の顔をのぞき込む。
そういう時の、少し自信の無さそうな彼の顔も好きだし、絶対に言うことを聞いてくれるはずだって言うときの、彼の自信のある顔も好き。
「潤也とは、前から知り合いなんだ。
麻結と同じ大学で学部も同じだから、君のこと、潤也に聞いてみたんだ。そうしたら、知り合いだって分かって、僕から声をかけるようにしたんだ。潤也が、君の様子が変だったって教えてくれて」
「そうだったの。いろいろ聞かなきゃいけないことがたくさんあるのね。さあ、座って」
「彼が来た方がよかった?」
「いいえ、彼に会っても聞きたかったことは、あなたのことよ」
潤也の席に代わりに座っても、彼には文句は無さそうね。