エリート医師に結婚しろと迫られてます

「ずっとって…」


「ずっとは、ずっとだよ。朝から寝るまで。1年のほとんど。おばあ様が元気だった頃は、よかったけれど、小学生になった頃は一人ぼっちで、食事を用意してくれるお手伝いさんがいて、その人は、僕が食事の用意が済むのを待ってたんだ。それで、彼女が帰るとそのあとは、ずっと僕一人さ」


「それ…どのくらい続いたの?」


「…言いたくないけど、君の家にいた時間以外ずっと。僕が起きる頃には、母は仕事に出掛けた後だったし、僕が、眠る頃には二人とも帰って来ない…朝起きると、やっぱりお手伝いさんがいて、食事を用意して待っててくれる」


「えっと…なんて言ったらいいのか分からないけど…お気の毒ね」


「君の家が理想だと言ったのは、本心からだよ。僕は本当に君と家族になりたかった」


「家族になりたいって言うのは、私のことが好きだからじゃなくて、うちの両親と兄の近くにいたいってことじゃないの?
私は、家族になるための手段というか、そんなものに過ぎないって…」



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