エリート医師に結婚しろと迫られてます
「何いってるの?これだけ真剣に話してるのに、思ったことってたったそれだけ?僕にかける言葉は他にないわけ?」
怒ってるっていうより、彼は、呆れ顔で話にならないって目でこっちを見る。
「だって、昔から、その…男性に興味をもたれたことがあまり無くて
。えっと…もたれたとしても、やっぱり真理絵のようなきれいな子には適わないって思い知らされ続けてきたから。
森谷さんだけどうしてこんなに一生懸命になってくれるのかわからなくて」
彼は、満面の笑みを私に向けた。
「そっか、そうだったよね。麻結ならあり得るかも。
あのさ、いくら並みのぱっとしない容姿だからって、高校卒業するまで、誰にも声をかけられないって、おかしいと思わなかったの?」
森谷さん、並みのぱっとしない容姿…やっぱりそう思ってたの…
「えっと…どういうことかな?」
おかしいなんて思ったこと無いけど。
みんな可愛い子が好きで、男の子は私より真理絵が好き。
そんなの宇宙の真理。ねえ?真理。
「僕は、真理ちゃんと連絡取ってたって言ったよね」
「はい…」
そんな怒って言わなくても。
「何で、僕がそんな事したのかわかってる?」
「いいえ。全然」
「真理ちゃんと協力して、君にいらない虫がつかなくするため」
「虫…がつかないように?」
「一番の虫は涼平さんだったけど、涼平さんは、君を妹のように思ってて、真理ちゃんのことが好きだったから、彼女に任せておけば問題なかった」
「そんな前から、涼平さん真理のこと好きだったの?」
「ああ、僕が子供の頃には、もう」
「そんな…」
「涼平さん見てれば、普通、5秒で気づくだろう」
二十年気が付かなかったの?私。