エリート医師に結婚しろと迫られてます
何しろ、この人30歳過ぎまで、
よく誰にも捕まらなかったのね、
というほど格好いい。
薄暗いバーにいても、古い民家にいても、どこにでも馴染むように、
すっと背筋が伸びて、そこにいるって感じだ。
無理して、イケてない弁護士に、
付き合うほど、暇じゃないみたいだし。
ほら、二人でカウンターで飲んでいても、
他の席の女性からの視線を感じる。
相手の女だけ、帰らないかなって
光線送られてる。
「ごめん。ちょっと考えごとしてて。
それに…
無理に頼んでなんか、いませんよ。
むしろ、僕の方が貴方のお兄さんに、
ずっと頼んでたんです…」
はあ?
そんな、一点の曇りのない目で言われても…
ダメ、ダメ、ダメ…
絶対、聞いちゃダメだから…
ああ…でも知りたい!
何を?って聞きたい気持ちを、
グッとこらえる。