エリート医師に結婚しろと迫られてます
断わられても彼は、それほど驚かずに言う。
「どうして断るの?理由はある?」
くすっと笑う程の、余裕の微笑み。
「ちょっと、待って。私、
あなたの事よく知らないし。
急に、そんなこと言われても…急には、
あり得ない」
「考える時間があればいいの?
どのくらい、あれば君は僕のこと思い出す?
でも…時間は、必要無いんじゃないの?
その様子だと、十分僕のこと受け入れてるじゃないか…
僕の方は、もう決めたよ。
具体的に、話を進めたいんだけど」
弁護士らしく、具体的にって、何の事って聞くべき…
それも、気になるけど。
「森谷さん、お断りする理由なんて、
いくらでもあるわ。家族の食卓に、
これ以上医者を増やしたいなんて、
私が望んでると思います?」
考えた割りには、他に欠点がない…
ウソ…本当に?
欠点ないって?
背も低くない…
口も臭くないし…
そうだ。「肝臓は?」
「はあ?肝臓?特に…問題ないよ」