エリート医師に結婚しろと迫られてます
「あの…残念だけど、無理なの。
嫁ぎ先はもう決めてるから」
森谷さんは、余裕で笑い出した。
「君の思ってる相手の男は、君の事なんか、全然意識してないんだろ?」
確かに、それは大きな問題だけど。ん?
「今のところはね。
でも、これからだから」
ちょっと、今、何気にひどいこと
言われなかった?
「がんばれよ」
森谷さんは、
それだけ言うと帰ろうとした。
「ちょっと、待ってよ。具体的にって、
何するつもりなの」
やっぱり気になる。
何するつもり?
「手の内なんか明かすわけないだろ?
弁護士さん」
こういう時って、楽しそうに笑うのね。
えっ?キャラ違わない?
さっきまでの、爽やかイメージは、
どこに行ったの?
「ちょ、ちょっと待って。本気なの?」
「どう、受け止めようと、君の自由だ。
がんばって逃げてみな。
まあ、僕がそんなヘマするとは思えないけど」
彼は、今までと同じく、
爽やかに笑うと、私の頭をさっとなでた。