エリート医師に結婚しろと迫られてます
「そうだ…」
帰り際に、森谷さんが、
何かを思い出したように振り返って、
こっちへおいでと手招きした。
素直に彼に従った私は、
彼にとらえられた。
細身だと思ったのに、意外と力がある。
振りほどこうと思ってもびくともしない。
「そういえば…
お仕置きがあったね」
また、1つ楽しみを思い出したって顔。
「何?」
お仕置きという言葉は、法に係わる者として、聞き捨てならない。
体が緊張し、さっと、身構える。
どうも、不当な処罰をされてるみたいで、一言、言い返したくなる…
ニヤッと笑う彼…
ああ…もう。
性格すでに見抜かれてるかも…
だいたい、ここで、
彼の手を振り払うべき所なのに、
近づいてるし。