ウソつき彼氏とニセ恋愛




「別れる気になった?」



屋上に着くなり、後ろから声がした。



……あぁ、松田さんだ。



「松田さんは、昴くんに何があっても
どんなことがあっても、
隣で支えてあげたいと思いますか?」



「当たり前なこと言わないで。
私は本気なのよ」



昴くんは、松田さんといた方が
幸せになれるんじゃないかな……?



「で、どうするの?
別れるなら、辞めてあげる。
もし別れないのなら、今度は大嶋さん双子にいろいろするけど?」



「……別れるから……もうやめて…」



そう言って松田さんの方を見ると、
それはそれは嬉しそうに微笑んだ。



「じゃあ今すぐ。
私の眼の前で別れて」



松田さんは走って屋上から去ったと思えば、
数分後に昴くんを連れて戻ってきた。




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