ウソつき彼氏とニセ恋愛
「やっぱり、昴には勿体ねえな。
あんたみたいな女なら、他にいい男
見つかると思うぜ」
大嶋くんはそう言いながらフェンスに寄りかかった。
「……でも、好きなのも事実です」
「なるほどな、まあ、話は分かった。
どうせ黙ってて下さいとか言うんだろ?」
……やっぱりお見通しらしいです。
頷くと、クスクスと笑って、
りょーかい。と言った。
「さーて、そろそろ戻らないと
昴も帰ってきてるだろうしな」
大嶋くんが先に出たのを確認して、
後から私も屋上を後にする。
大嶋くんには、ウソはつけなさそう。