ウソつき彼氏とニセ恋愛
*
「ひ、弘乃くん……っ!」
「なんで昴と別れた?」
弘乃くんと、久しぶりに目があった気がした。
その目からは、怒りと悲しみと、
“何がしたいんだ”という思いが見えた気がする。
「だから……それは前にも聞いたで…」
「あんなウソ、俺に通じると思ってるワケ?」
……そうだった。
弘乃くんには、ウソはほとんど通じなくて
いつもいつも見破られてたっけ。
それでもやっぱり、言いたくない。
言ったらきっと、涙が止まらなくなるから。