ウソつき彼氏とニセ恋愛
「あー!!!」
教室に戻ると、水瀬くんの叫び声が聞こえた。
そして、走ってこっちに来て
私たちの前まで来ると、大嶋くんを睨んだ。
「弘乃は人のカノジョにちょっかい出すのが趣味なの?」
「随分と彼女にご執心だな」
可笑しそうに笑う大嶋くんを、
水瀬くんはもっと睨む。
「何が言いたいのか知らないけどさぁ…
勝手に人のカノジョ連れてかないでよ」
「はいはい、すみませんでしたー。
つーことで、邪魔者は消えるんで……
また何かあったら話せよ、千夏チャン」
……はい!?
い、今……大嶋くん……
千夏ちゃんって呼んだ!?
「あ、ちょっと、弘乃ー!?」
私も水瀬くんも驚いてその場でフリーズ。
その間に大嶋くんは、スタスタと歩いて行ってしまった。