ウソつき彼氏とニセ恋愛




「弘乃から話聞いたんだ。
千夏ちゃんがウソの告白と知りながらオッケーしたって」



ゆっくりと離され、
真っ直ぐな瞳をした昴くんと目があう。



「最初は、別の刺激をって思って告白した。
でも、一緒にいるうちに俺の中身見てくれてるのかも…とか、考えるようになって、

いつの間にか好きになってた。
この気持ちに偽りなんてないよ。」



また、涙が止まらなくなっちゃうよ。



諦めなくていいってこと?
また、前みたいな生活をしていいってこと?



「……もういっかいやり直そう?
本当に好きだよ。付き合って下さい」



こんな真っ直ぐな瞳の昴くんは、見たことがなかった。



もうウソじゃないんだよね……?



「本当に本当?」



「本当だよ」



「ウソじゃない?」



「ウソなんかじゃないよ。
…信じられないのなら、何度だっていうよ。

千夏ちゃんが好き」



今度は私から、昴くんを抱きしめた。



昴くんも抱きしめ返してくれて、
返事聞かせて?と優しい声で言う。



……わかってるくせに。



「私も、好きだよ…っ!
もう一回…付き合いたいです」



ぎゅっと、昴くんの腕に力が入った。




< 134 / 284 >

この作品をシェア

pagetop