ウソつき彼氏とニセ恋愛
「弘乃から話聞いたんだ。
千夏ちゃんがウソの告白と知りながらオッケーしたって」
ゆっくりと離され、
真っ直ぐな瞳をした昴くんと目があう。
「最初は、別の刺激をって思って告白した。
でも、一緒にいるうちに俺の中身見てくれてるのかも…とか、考えるようになって、
いつの間にか好きになってた。
この気持ちに偽りなんてないよ。」
また、涙が止まらなくなっちゃうよ。
諦めなくていいってこと?
また、前みたいな生活をしていいってこと?
「……もういっかいやり直そう?
本当に好きだよ。付き合って下さい」
こんな真っ直ぐな瞳の昴くんは、見たことがなかった。
もうウソじゃないんだよね……?
「本当に本当?」
「本当だよ」
「ウソじゃない?」
「ウソなんかじゃないよ。
…信じられないのなら、何度だっていうよ。
千夏ちゃんが好き」
今度は私から、昴くんを抱きしめた。
昴くんも抱きしめ返してくれて、
返事聞かせて?と優しい声で言う。
……わかってるくせに。
「私も、好きだよ…っ!
もう一回…付き合いたいです」
ぎゅっと、昴くんの腕に力が入った。