ウソつき彼氏とニセ恋愛
「うん……いいの!」
その言葉を聞いた松田さんからは、
安心したような雰囲気を感じた。
「七瀬さんのことだから勘違いしてると思うけれど、貴女はもう認められているのよ。
学校中の女の子から、
昴をあんなにいい表情に出来るのは、
七瀬さんだけだ…って」
…知らなかった。
絶対私は、今もまだ反対されてて、
女の子からの反感を買い続けながら生活していくと思ってたから。
「……自信、持ちなさいよ。
私に堂々とできたんだから…千夏」
い、今、千夏って呼んだ…!?
松田さんは恥ずかしくなったのか、
頬を赤くしてその場から去ろうとした。
「あ、ありがとう!凛花ちゃん!」
そう叫ぶと、凛花ちゃんはピタッと止まって
後ろは振り返らなかったけど手を振って、歩いて行ってしまった。