ウソつき彼氏とニセ恋愛
「たくさん泣かせちゃったから、
その分たくさん笑顔にするから。
って、約束してもう一回やり直した」
「そしたら本当に昴くんは
私を笑顔にしてくれた」
私がそういうと、昴くんは驚いてから
またにこっと笑った。
「俺も、本当の笑顔になれた、
本当の俺になれた。だからね……
千夏ちゃんは心から大切だと思ってるんだ。
これからも一緒にいたいって。
だから…見守っててくれると嬉しいなぁ」
昴くんがそう言うと、
会場は拍手で包まれた。
泣きそうになってきちゃった。
昴くんが私の方を振り向いて、笑顔になったと思えば、ぎゅっと優しく抱きしめてくれた。
「千夏ちゃん、大好きだよ」
私にだけ聞こえる声で優しい声で……
そう言ってくれた。
「私も、大好きだよ」
そう言い返すと、嬉しそうな表情になって
私まで嬉しくなった。