ウソつき彼氏とニセ恋愛
「たまたま今日は空いてて人が足りてるからね、多くなる前に話そうか」
真人さんはそう言って、
オレンジジュースを持ってきてくれた。
「……あの、私なんかが入っていいことじゃないのは十分分かってるんですけど…」
「家族のこと、かな?」
その言葉に驚いてしまった。
なんで当てられたのか分からないけど、
小さく頷くと、悲しそうな表情をした。
「七瀬さんとはきっとだけど、
これからもお世話になると思うから、一通り話そうか」
「…ありがとうございます」
真人さんだって、十分辛いはずなのに、
関係ない私がこうやって訪れてもイヤな顔1つせずに教えてくれた。