ウソつき彼氏とニセ恋愛




放課後、昴くんと帰ろうとして、
そうだ…ってはっとした。



「ちーなつちゃーん」



教室を出ようとすると、
昴くんに呼ばれて立ち止まる。



「まだ帰らないでよー」



「え?」



「もう少し、一緒にいたい」



ドキッとしてしまった。

なんでこんなに昴くんは…
私をドキドキさせるんだろう。



昴くんの言葉に“いいよ”の意味を込めて頷くと、ぱぁっと笑顔になった。



「屋上、行こう!」



屋上は最近、滅多に行かなくなった。



それは昴くんもで、
でもきっと今は…行きたいんだろうなぁ。




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