ウソつき彼氏とニセ恋愛
「…ちょっと時間かかるけど、
待っててね」
昴くんの声が直接心に伝わる感じがした。
すごく暖かくて、安心できて、
昴くんの腕の中で頷くと、
「それじゃあ、帰ろっか!」
と言って、私の手を引いて屋上を出た。
教室までの帰り道だけど、
少しの間だけど、
手をしっかりと繋いでた。
「それじゃ、また明日ねー」
昴くんが手をひらひらさせて教室を出た後で
一人きりの教室で、
「待ってるよ…ずっと。」
そう呟いた。