ウソつき彼氏とニセ恋愛
「何も言わないの?」
「え?」
「ほら、俺今、女の子と2人だったんだよ?」
そんなこと、聞かれると思わなかった。
昴くんのことだから、その後もいつも通り、いろんな話でもするのかと思ってた。
「…いいんです。
これが、私の課題だから」
「……千夏ちゃん?」
昴くんが後ろから、私の顔を覗き込むように見る。
「だ、ダメっ!見ちゃダメです!」
「だーめ、こっち向いて?
ほら、千夏ちゃん?」
絶対見せられない!
だって今の私、絶対泣きそうな顔してるから。
自分でも分かっちゃうほど酷いから!