ウソつき彼氏とニセ恋愛
きっと、父さんもびっくりしてると思う。
普段はこんなに話さないから。
そして、千夏ちゃんが影響してるってことも、知ってるはずだよ。
「今度、千夏ちゃんも一緒にお店に来い。
新作の試食でもしてもらおう」
「…伝えとく」
俺はそう言ってリビングをあとにし、自分の部屋へ向かった。
鞄を放り投げてベッドにダイブ。
携帯を開くと千夏ちゃんから連絡が来てた。
“ 昴くん、忘れ物だよ〜 ”
写真も一緒に送られてきて、
その写真には、ノートが映ってた。
………あ。
明日提出のノートだ。
まだ完成してなくて、
今日持って帰ろうとしてたの、知ってたんだ。
“ やらかしちゃったよ〜、
明日の朝早く学校行ってやろうかな ”
そう返信すると、すぐに返事が来た。
“ じゃあ、私も早く行くね! ”
なんて、どんだけ俺を喜ばせる気だろう、千夏ちゃんは。
本人が無自覚だからタチが悪い。