ウソつき彼氏とニセ恋愛




「千夏ちゃん、ちづるが初めての女友達っぽいから、よろしくね!」



「任せとけ。
アホな昴より可愛がってやる」



「ほんと、大嶋ツインズって千夏ちゃんに甘いよねぇ……」



そんな声が遠くで聞こえてたけど、
それよりも私は、新しくお友達ができたことがすごくすごく嬉しかった。



「えへへ、昴くん、ありがとう!」



「え?どしたの、突然?
俺、なんかしたっけ?」



何かしたどころか、全て昴くんのおかげだよ。



「昴くんと出会ってなかったら、
私の世界は小さいままだったから…」



一人ぼっちしかしらない、狭い狭い世界。

その世界から飛び出すことを恐れて、
1人で外の世界を眺めるだけの私。



「昴くんのおかげで、世界が大きくなって、
こうやって大嶋くんや…ち、ちづ…ちづちゃんに出会えたんだよ……っ!」



ものすごく恥ずかしいけど、
精一杯の私の気持ち。

ちゃんと伝わってるかな?




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