ウソつき彼氏とニセ恋愛
真人さんはそんな昴くんに気にする様子はなく、席に案内してくれた。
「今日だけ特別、VIP席だよ。
たまたま予約してる人がいなくてね」
そう言いながらメニューを手渡ししてくれて、
私はお礼を言いながら受け取った。
「決まったらそこのボタン押して呼んでね」
真人さんはそう言って、仕事に戻ってしまった。
昴くんはさっきから、少し不機嫌。
理由はよくわからないけど……。
「昴くんは何にするの〜?」
ちょっと昴くんの口調を真似て聞いてみた。