ウソつき彼氏とニセ恋愛




でもやっぱりそこまで好きじゃないみたい。



苦笑いしながら、

「ちょっとトイレ!」

と言って、駆け足でトイレに行ってしまった。



私ばっかり楽しんじゃってるよね……。



「七瀬さん」



「あ、真人さん……」



「やっぱりあいつには、少し厳しそうだね」



クスクスと笑ってる真人さんは、
本当に大人びてて絵になってる。



「さっきから驚くことばかりだよ。

昴は、あんな表情で笑うんだな。
あんなに楽しそうに笑う昴は、恥ずかしいけど……初めて見たよ」



そう言って眼を細める真人さん。



なんだか懐かしそうな寂しそうな、

そんな瞳に、胸がザワザワし始めた。




< 62 / 284 >

この作品をシェア

pagetop