ウソつき彼氏とニセ恋愛
「ねぇ、千夏ちゃんは、
いっつも何考えてるのー?」
「え?」
教室で、私の眼の前に座ってパンを食べてる水瀬くんは、ニコニコ笑顔。
「何も…考えてないですよ」
「あー、また敬語になったー。
敬語禁止って言ったよね?」
……あ、またやっちゃった。
普段からそこまでクラスメイトと話したり
そういうことをしないから、
ついつい敬語で話しちゃうんだ。
「昴、ノート返すわ」
1人敬語で話してしまったことを後悔していたら、突然、水瀬くんを呼ぶ声が聞こえた。
「お、弘乃ー!ちょうどいいや!
千夏ちゃん!俺の幼馴染の大嶋 弘乃」
「…よお」
こ、この人、私知ってる……!
隣のクラスのモテ男くんだ!
クールで静かで、水瀬くんとは違った格好良さがあるなあ…。
「な、なな、七瀬 千夏です……」
私を見た大嶋くんは目を見開いて、
ふっと笑った。
……カッコいい。
「随分とまた、全然違う女の子を…」
そう言ったかと思えば、顔が近づいてきて
大嶋くんの顔は私の顔の横に。