ウソつき彼氏とニセ恋愛




結局昴くんは、5分経っても戻ってこなくて、
ホームルームが始まるギリギリで戻ってきた。



それから移動教室が重なって、
昴くんとは全く話せなくてあっという間にお昼になってしまった。



「どうした、千夏。元気ないな?」



「なんか昴くんと全然話せなかったなあ…」



「そうか……。さっき弘乃に会ってな、
松田が動き出したとか何とか。
それ、聞いてもいいか?」



ちづちゃんの言葉に頷いて、

今日何があったのか。
心がズキズキしたとか。
これからが怖いんだとか。

全部包み隠さず話した。



「怖いという感情があるのは普通なことで、
千夏が弱いだとそういうことじゃないからな」



「……うん」



そうだよね。

誰でも怖くなっちゃうよね。
……何だか少し落ち着いてきたかも…。




< 77 / 284 >

この作品をシェア

pagetop