ウソつき彼氏とニセ恋愛
「それにしても、昴はどこに行ったんだ?
いつもなら教室で男女に囲まれて食べてるよな」
そういえば……
さっきから女の子たちの笑い声も、
話し声も聞こえない。
昴くんが、いないんだ。
「あー、昴ならさっき、4時間目終わってすぐに飛び出してったよ?」
ちづちゃんの言葉を聞いたクラスの男の子がそう教えてくれた。
「なんで飛び出してったか知ってるか?」
「さぁな。でも授業中も落ち着いてなかったし、なんかあったんじゃねーかな?
すっげー必死そうだったしな」
ちづちゃんは男の子に、ありがとうとお礼を言って立ち上がった。
「ついて来い、千夏。
なんとなく予想ができたからな」
スタスタと歩き始めたちづちゃんのあとを急いで追う。
途中で弘乃くんとも合流した。
……2人とも並ぶと、本当に美形な双子だなぁ