ウソつき彼氏とニセ恋愛
「傷つくことを知りながら付き合ったみたいだけど…」
「え…なんで……」
「俺はお前に傷ついて欲しくねえな。
だってお前、昴の中身見てんだろ?」
そう言った大嶋くんは、
不敵に微笑みながら顔を離した。
「俺のカノジョになにしてんのかなー?」
「別に、何もしてねーよ。
ただ…お前には勿体ない彼女だと思った。
ただそれだけだ」
大嶋くんは、じゃーな。と言って
手を振りながら教室から出て行った。
一方の水瀬くんは呆れ顔。
私は、なんで大嶋くんにお見通しなのか分からず、ボーっと大嶋くんの出て行った教室のドアの方を見ていた。