ウソつき彼氏とニセ恋愛
「う、うざったいかもしれないけど!
私は別れたくなんかなくて……。
だから、そのっ…あの…」
別れたくなくて、
辛かったけど戦いたいって
その言葉が出てこなくて、
その、あの、えっと…ばっかり。
そんな私を見て昴くんは、クスクスと笑って
「分かってるよ」
って、優しく頭を撫でてくれたから、
私は言うのをやめて微笑んだ。
「俺もね、イヤだとは思うし辛い思いさせるとは思ってるんだけど、
千夏ちゃんと別れる気なんてないからさ!
だから、1人で戦うのは禁止!」
そんな言葉だけで、
辛かった気持ちも消されていくようで
なんだか心が落ち着いた。