鈍感さんに恋をした。


莉愛と男は、話しながら教室を出て行こうとした。


「莉…っ」


莉愛を呼ぼうとしたが、すかさず俺の目の前にあの男が立ちはだかった。


なんだよ歯向かう気か?


先輩相手に。


1年のくせに、生意気な。


「先輩も、実行委員だったんですね。

けど、これ以上、柳田さんに迷惑掛けるような事したら、許さないですから」


怖い顔で俺を睨み付けながら、低い声で男はそう言った。


「お前さ… 何様だよ?

俺と莉愛の関係とか気持ちとか、お前に何がわかんだよ」


ムカつくから、言い返してやった。


この男は、部外者だ。


なのに、この男、また言い返して来やがった。


「先輩こそ、柳田さんの何がわかるんですか?

俺たち、付き合ってるんです」






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