鈍感さんに恋をした。


玄関を出ると、案の定、麻琴と楓が待っていた。


「おはよう」


そう言うと、2人はあたしの顔を見るなり目をぎょっとさせた。


「莉愛、大丈夫!?」


「え……… なに?」


楓が心配した声で言い、麻琴も不安そうな表情をしてあたしを見ている。


「目、真っ赤だけど、なんかあった!?」


「あー……」


昨日散々泣いたから、目がパンパンに腫れてしまったみたい。


「…大丈夫だよ」


昨日おもいっきり泣いちゃったから、なんて、麻琴と楓には言えない。


麻琴と楓は暫く心配そうにあたしを見つめていたが、「莉愛がそう言うなら別にいいけどさ」と言い頷いてくれた。


良かった…… わかってくれて。






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