鈍感さんに恋をした。
2人はこういう時、あえて何も聞かず、普段通りに接してくれるから、あたしは2人のそういうとこが大好き。
他愛もない話をしながら3人で笑いながら登校していると、あっという間に学校に着いた。
昇降口で、中村くんと会った。
「柳田さん、おはよう」
「お、おはようっ」
思わず声が上ずった。
あの時、中村くんが『俺たち愛し合ってるんです』なんて言うから…。
中村くんと普通に話せない。
顔すら見る事が出来ない。
中村くんは、一体何を考えているの?
「莉愛、教室行こ~」
「あ、うん」
中村くんが去った後も呆然と立ち尽くしていたあたしを、麻琴と楓が不思議そうな顔をして見ていた。